最近話題のカフェインレスコーヒー、デカフェについて調べてみました。コーヒー好きでもカフェインが気になる場合があります。特に授乳中の方などにとっては、諦めてしまっている人も多いと思います。そこへ来てこのカフェインレスコーヒーやデカフェというものがあるということを知り、自宅でも簡単に作ることができるのかどうか調べてみました。またカフェインレスコーヒー、デカフェについてネットでも購入することが可能なのかについても調べていますので参考にしてみてください。
カフェインレスコーヒーとは?
英語では?
「decaffeinated coffee」と言います。
元々は、フランス語の「décaféination」から来ている言葉とこのとです。
英語では、あまりCAFFEINLESS COFFEE という表現は遣われないのかもしれません。
どちらかと言うと、やはり「decaf coffee」という表現になるようです。
実際、「カフェインレスコーヒー」=「デカフェ」と同じように扱われています。
厳密に言うとデカフェの中にカフェインレスコーヒーが含まれる事になります。
カフェインレスコーヒー(デカフェ)とは?
コーヒー豆に含まれるカフェインをかなり取り除いたものをカフェインレスコーヒーと言います。ヨーロッパではコーヒー豆の中にカフェインが0.2%を超えない場合にカフェインレスコーヒー(デカフェ)という名称が使われるとのことです。ということは、ヨーロッパの基準で考えるとコーヒー豆の中に0.2%以内のカフェインが含まれていると捉えることもできます。ですので、ヨーロッパの基準ではカフェインレスコーヒーといってもカフェインが完全にゼロというわけではなく微量に含まれているということになります。(ちなみにカフェインを取り除いた飲み物には、お茶、紅茶などもあります。)
日本国内での基準は、明確な基準はありませんが、全国公正取引協議会連合会が定めている「表示に関する公正競争規約」の中にカフェインレスコーヒーについての記載があります。公正競争規約の規約によるとカフェインレスコーヒーについてはカフェインを90%以上除去したコーヒーという風に定義されています。ヨーロッパの基準に比べるとかなりカフェインが含まれていてもOKで、日本国内ではカフェインレスコーヒーとして販売することができるということになります。最大で10%近くカフェインが含まれていてもカフェインレスコーヒーという風に日本では呼ぶことができるということになります。
カフェインレスコーヒーの作り方
有機溶媒抽出による方法(ケミカルメソッド)
世界で一番最初に開発されたカフェインレスコーヒーを作る方法がこの有機溶媒抽出による方法です。最初に開発した国はドイツで1906年とのことです。この方法は、カフェインという物質が比較的 水に溶けにくい(疎水性)ということを利用して行いますが、カフェインを溶かしだすためには有機溶媒を使うことになります。有機溶媒を使うと、カフェインは有機溶媒に溶けやすいですが、カフェイン以外のコーヒーに含まれる水に溶けやすい(親水性)の成分は有機溶媒には溶け出さないことを利用した方法です。ただしこの方法は、ベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタンなどといった有機溶媒を直接コーヒー豆に接触させるので安全性の面では不安が残ると言わざるを得ません。海外の製品には比較的多く使われている方法で海外のカフェインレスコーヒーの約80%を占めるとも言われています。※日本での使用は禁止されているとのことです。
個人的評価:安全面:★
水抽出(ウォーター・メソッド)による方法
スイス式水抽出法とも呼ばれている方法で1941年に開発されています。コーヒー豆を水に浸してカフェインを取り出す方法ですが、水に浸すことでカフェイン以外のコーヒー豆の成分も水の中に溶け出てしまいます。しかし、その後でカフェインとカフェイン以外の成分が入った水を、セルロースや活性炭などで作られたフィルターの中を通して、今度はその中に含まれるカフェインのみを取り除き、カフェインが取り除かれた水を使ってカフェイン以外の水溶性成分をコーヒー豆に戻すという作業を繰り返すことでカフェインレスのコーヒー豆が完成します。この方法のメリットは、コーヒー豆に有機溶剤が直接触れることがないという点です。現在も用いられているカフェインレスコーヒーを作る方法がこのウォーターメソッドです。
個人的評価:安全面:★★★★
超臨界二酸化炭素抽出による方法
1974年に開発された比較的新しい方法がこの超臨界二酸化炭素抽出法です。文字通り二酸化炭素を使った方法ですが、超臨界という言葉が付いている通り普通の状態で二酸化炭素を使うことではなく、二酸化炭素に圧を加え、適切な温度管理のもとでカフェインを効率的に抽出する方法です。この方法の最大のメリットは有機溶媒を使わないということです。また、カフェインを効率よく安全に取り出すことができるという点も優れています。どうやってカフェインを取り出すかと言うと、ざっくりの説明ですが、二酸化炭素に圧を加えカフェインが抽出できるような溶媒の状態にすして、減圧することを利用してカフェインを回収する仕組みのようです。かなり専門的な抽出技術です。ちなみに二酸化炭素が超臨界二酸化炭素の状態になるには73.8気圧以上が必要とのことで、実際にカフェインを除去する際には120から180気圧が必要と言われています。処理する時間は半日程度かかります。
特殊な方法であり、簡単には行えませんが、コーヒー本来の風味を損なうことなくカフェインを除去できるため、注目されている方法です。すでに、この超臨界二酸化炭素抽出法で作られたカフェインレスコーヒーも販売されています。
個人的評価:安全面:★★★★★
コーヒー(粉)
コーヒー(豆)
液体二酸化炭素抽出による方法
最近、ドイツで開発された方法です。超臨界二酸化炭素抽出法と似ていますが、こちらの方法では気圧が60 気圧 で温度は25度Cという二酸化炭素を使ってカフェインを除去する方法になります。超臨界二酸化炭素抽出法と比べると低温低圧での処理となるため処理時間は長く(2〜3日)かかりますが安全な方法であり、コーヒー本来の味を一番残している方法とも言われています。こちらの方法を使って作られたコーヒー豆もすでに販売されており、今後、注目される抽出方法だと言われています。
個人的評価:安全面:★★★★★
コーヒー(粉)
コーヒー(豆)
カフェインレスのコーヒーの木から取れた豆の利用
カフェインレスコーヒーを作る色々な方法がある中で、最初からカフェインのない木から取れた豆を使えばいいというのがこのカフェインレスのコーヒーの木(コーヒーノキ)の利用ということになります。しかし、元々カフェインというのは、コーヒーの木が自らの身を害虫などから守り子孫を残すためにあります。そういうことなので実際カフェインのない木というのは、害虫などからやられやすかったり自然界で存在しにくい状況になっているようです。遺伝子組み換えなどを使ってカフェインの少ない品種を作り出そうと開発が進められているようですが、あまりうまくいっていないというのが実情のようです。ですので、可能性としてはあるということですが、まだ実用化できていません(2022年6月現在)。
個人的評価:安全面:★★★
自宅でデカフェ(カフェインレスコーヒー)は簡単にできる?
自宅で作るには?
カフェインレスコーヒーを作る方法としては、上記に挙げた方法がありますが、お気づきの通り、自宅で簡単にカフェインレスコーヒーを作る方法は、まだ開発されていないことになります^^;。
超臨界二酸化炭素抽出法による方法を実施するためには、専門的な知識や大掛かりな設備が必要となってきますし、有機溶媒を使う方法は、安全面の問題がありますので実施することはできません。
水抽出法に関しても、技術面もそうですが相当な時間を要することが容易に想像つくと思います。
コーヒーの木については、栽培できたとしてもコーヒー豆を焙煎することから始めないといけませんので簡単にカフェインレスコーヒーを作ることはできないという結論になります。