自宅でのコーヒータイムを格上げするなら、コーヒー豆を自分で挽いてみるのがおすすめです。
「コーヒー豆を挽くのは複雑そう」と感じるかもしれませんが、理解しやすいですよ。
コーヒー豆を挽く際には、細挽きから粗挽きまで5つの異なる挽き具合があります。これらの粒度によって、コーヒーの風味や味が大きく変わるため、挽き方をマスターすることが重要です。
この記事では、コーヒー豆の挽き方の基本と、それぞれの粒度がもたらす味わいの違いを解説します。
さまざまな挽き方を試して、自分好みのコーヒーを見つけましょう!
なぜコーヒー豆を挽くのでしょうか?
コーヒー豆を挽く主な理由は、抽出を効率的に行うためです。もしコーヒー豆をそのままお湯に入れても時間がかかるだけでなく、抽出される成分も不十分になりがちです。
豆を粉にすることで、お湯と接触する表面積が増え、コーヒーの成分がより効率的に抜き出されるようになります。このため、挽くことが重要な工程となっています。
コーヒー豆の挽き方と適切な保存期間について
コーヒー豆を粉にすると表面積が拡大し、酸素との接触が増えるため、挽いた瞬間から品質の劣化が進みます。挽いたコーヒーは酸化しやすく、その結果として本来の風味や苦味が低下してしまいます。
挽いたコーヒー粉の保存期間は、理想的には7日から10日が限度です。それに対して、豆のままならば適切な条件下では最大で30日間は風味を保つことができます。コーヒー豆は購入後、使用する直前に必要な量だけを挽くことが、最も風味を保つ方法と言えるでしょう。
コーヒー豆の挽き方についてのステップ
コーヒーミルを準備し、豆を装填します。
手動のミルを使用する場合は、ハンドルを回すスピードを一定に保ちながら挽くことが重要です。速すぎると熱が発生してしまうため、ゆっくりと均一に挽くことが大切です。
使用する抽出方法に応じて、適切な粒度に調整しながら豆を挽きます。
例えば、ペーパードリップやコーヒーメーカーを使用する際は「中細挽き」が適しており、サイフォンを使う場合は「中挽き」が理想的です。
コーヒー豆は挽かれた瞬間に最高の香りを放つので、その香りも楽しみながら挽くことをお勧めします。
コーヒー豆の5つの挽き方とその特性!抽出器具に合わせた最適な粒度
コーヒーを抽出する際、使用する器具によって最適な挽き目(粒度)を選ぶことが重要です。なぜなら、抽出器具の構造により、コーヒー粉とお湯の接触方法や時間が異なり、これが抽出効率に直接影響するからです。
器具に適した挽き方をしないと、コーヒーが適切に抽出されず、味が薄くなったり、過抽出で苦味が強くなることがあります。
各抽出器具に合った挽き方を選ぶことで、コーヒーの味を最大限に引き出しましょう。
次に、各挽き目の特性について詳しく見ていきます。
極細挽き(超細粒)
極細挽きは「粉砂糖」に似ており、非常に細かいパウダー状の粒度を持っています。これほど細かいと、抽出時間が長い方法では渋みや苦みが強く出るため、短時間での抽出が求められるエスプレッソに最適です。
■ 極細挽き推奨の器具と抽出法
この粒度は、エスプレッソマシンで使用するのに適しています。エスプレッソは他の抽出方法に比べて抽出時間が20~30秒と短く、効率的にフレーバーを引き出せます。
ターキッシュコーヒーを淹れる際に使用するイブリックというひしゃく型の器具でも、極細挽きは効果的です。
細挽き(細粒)
細挽きの粒度は、上白糖とグラニュー糖の間くらいです。これにより、比較的濃い味わいのコーヒーが得られます。ゆっくりと水を注ぎ抽出するウォータードリッパーに最適な挽き方です。
■ 細挽き推奨の器具と抽出法
水出しコーヒーをウォータードリッパーで作る場合、この挽き方が役立ちます。お湯ではなく冷水を使用するため、抽出にはより細かな粉が必要です。冷水での抽出は時間がかかるものの、コーヒー成分を丁寧に引き出すことができます。
中細挽き(中細粒)
中細挽きの粒度はグラニュー糖のようで、ペーパードリップやコーヒーメーカーなど、多くの家庭で使われる抽出器具に最適です。お湯がコーヒー粉を通る時間を考慮すると、これが最も標準的な粒度です。一般的な選択肢として、中細挽きを選ぶと間違いありません。
■ 中細挽きの推奨器具と抽出方法
ペーパードリップやコーヒーメーカーを使用する際には、中細挽きが理想的です。市場に出回っている一般的なコーヒーの粉は、この粒度で準備されていることが多いです。
中挽き(中粒度)
中挽きの粒度はグラニュー糖とザラメ糖の中間くらいで、時間をかける抽出方法に適しています。細かすぎるとお湯の接触時間が長い場合に雑味が出るため、適度な粗さが理想です。
■ 中挽き推奨の器具と抽出法
中挽きはサイフォン、ネルドリップ、フレンチプレスなど、ゆっくりとコーヒー成分を抽出する方法に最適です。この粒度で抽出すると、適度にお湯と接触し、理想的な風味を引き出すことができます。
粗挽き(粗粒度)
粗挽きはザラメ糖のような大きな粒度で、一般的な挽き方と比べるとやや珍しいかもしれません。この挽き方は、お湯との接触時間が長く、目の粗いフィルターを使用する抽出方法に最適です。
■ 粗挽き推奨の器具と抽出方法
特にアウトドアで利用されるパーコレーターが適しています。この器具は金属製のバスケットを使用し、火にかけてじっくりと時間をかけてコーヒーを抽出するため、粗挽きのコーヒー粉が最も良い結果をもたらします。
コーヒー豆の挽き方が味に与える影響
コーヒー豆を挽く理由と、異なる挽き目がどのように味に影響するかを理解した上で、自分の好みに合わせて挽き目を調整する方法を紹介します。
豆をどのように挽くかによって、抽出時に得られる成分が変わり、これがコーヒーの濃度や風味に直接影響します。以前の章で紹介した基準の挽き方を参考に、個々の好みに応じて微調整を試みてください。
細かい挽き目 ⇒ 濃い味わいと強い苦味
粗い挽き目 ⇒ 軽い味わいと薄めの味
ただし、コーヒーの風味を決定するのは挽き方だけではなく、ハンドドリップの場合は注ぎ方や水の温度、使用するコーヒー粉の量など、淹れ方の過程でも多くの要素が味に影響します。これがコーヒーが深く複雑な飲み物である理由です。
コーヒーミル使用時の重要な3つのポイント
コーヒーミルをお持ちの方、または購入を考えている方に、コーヒーをより美味しくするための3つのポイントを紹介します。
①コーヒー豆は飲む直前に挽く
コーヒー豆は粉にすると酸化が進みやすく、風味が失われます。そのため、豆の状態で保管し、使用する直前に必要な分だけ挽くことが理想です。これにより、最も新鮮な状態でコーヒーを楽しむことができます。
②均一な粒度で挽く
粒度が均一でないと抽出時に味にムラができ、最適な味を引き出せない可能性があります。ミルの種類や機能によっても粒度は変わるので、使用するミルの特性を理解し、できる限り均一な粒度を保つようにしましょう。特に手動ミルを使用する場合は、回す速度を一定に保つことがポイントです。
③ミルの選び方に注意
コーヒーミルには手動と電動のタイプがあり、どちらを選ぶかは使用環境や好みによります。電動ミルは速くて便利ですが、手動ミルは挽く過程を楽しむことができ、粒度の調整がしやすい場合もあります。ミル選びに迷った際は、使用目的に合ったタイプを選ぶと良いでしょう。
豆を挽くことでコーヒータイムがさらに楽しくなる
コーヒー豆を挽く時には、その瞬間に解放される香りが空間を満たし、コーヒーの時間を特別なものにします。挽きたてのコーヒーの香りは、コーヒータイムの楽しみを格段に向上させてくれるでしょう。
最近では、一層美味しいコーヒーを淹れるために粒度を整えたり、不要な微粉末を除去するための専用ふるいも使われ始めています。これにより、味や舌触りを細かく調整できるようになっています。
自宅でのコーヒー作りでは、適切な器具の選択と正確な淹れ方が重要です。特に初心者にも扱いやすいハンドドリップの方法や、必要な道具について学ぶことがおすすめです。