カフェのメニューでよく見かけるようになったコールドブリューコーヒーについて、多くの人が通常の冷たいコーヒーと同様だと思い込んでいます。しかし、実際には抽出方法に違いがあり、それが風味に大きな影響を与えています。
【1】コールドブリューは長時間抽出で味わい深い
コールドブリューは、その名の通り、低温での抽出が特徴です。一般的なアイスコーヒーは熱い水で急速に抽出し、氷で冷やして作られるのに対し、コールドブリューは冷水でじっくりと時間をかけて抽出されます。これにより、コーヒーから苦味や渋味を引き出すカフェインやタンニンが溶け出しにくくなり、よりクリアでまろやかな風味が楽しめるため、コーヒーが苦手な人にもおすすめです。また、カフェインを抑えたい夜の時間帯にも最適です。
コールドブリューコーヒーの基本
コールドブリューコーヒー、または英語で “cold brew coffee” とも表され、これは低温で水を用いて抽出されるコーヒーの一種です。
従来のドリップコーヒーは高温のお湯を使って抽出するのに対し、コールドブリューは低温の水を使用します。
お湯を使えば数分で抽出が完了しますが、水で抽出するコールドブリューは数時間から一日かかることもあります。この長時間抽出により、コーヒー豆の不要なクセや苦味が抽出されにくく、結果としてクリアでマイルドな味わいが得られます。
コールドブリューコーヒーとアイスコーヒーの主な違い
コールドブリューコーヒーと一般的なアイスコーヒーの間には、どのような差異が存在するのでしょうか。
コールドブリューコーヒーは水を使って低温で時間をかけて抽出されたコーヒーであり、一方でアイスコーヒーはお湯で抽出されたホットコーヒーを氷で急速に冷やして作られます。
一見すると、コールドブリューコーヒーもアイスコーヒーの一種と見なすことができますが、抽出方法による差が味にも大きく影響するため、両者は明確に区別されます。
それぞれのコーヒーには独自の魅力がありますので、比較してみるのもおすすめです。
【2】日本が発祥のコールドブリューコーヒー? コールドブリューコーヒーと一緒のマフィン
日本が発祥のコールドブリューコーヒー?
多くの人が楽しんでいるコールドブリューコーヒーですが、実はこの独特な抽出法を開発したのは京都のカフェのオーナーだと言われています。
オリジナルはインドネシア、オランダの植民地で栽培されていたロブスタ種という特有の強い風味を持つコーヒー豆でした。この豆を使用し、欠点が目立たない方法を模索したオランダ人が初期の冷水抽出法を開発しました。その方法を更に改良し、より美味しく仕上げたのが、京都のカフェのオーナーです。そのため、このコーヒーは『ダッチコーヒー』や『キョートコーヒー』とも呼ばれるようになったということです。
このコーヒーの歴史を知ると、コールドブリューが日本にルーツを持つという事実に、親近感を覚えるかもしれません。
コールドブリューコーヒー、水出しコーヒー、ダッチコーヒーの関係
水を使用して抽出されるコーヒーには、コールドブリューコーヒーと水出しコーヒーが含まれます。これらは基本的に同じ意味であり、どちらも水を用いてコーヒーを抽出する方法を指します。
また、「ダッチコーヒー」という名称も水で抽出するコーヒーに使われ、これもコールドブリューコーヒーと同様です。
「コールドブリューコーヒー」「水出しコーヒー」「ダッチコーヒー」という異なる呼び名がありますが、これらはすべて同じ低温での水抽出コーヒーを表しています。
【3】家でも簡単に作れる、専門店の味 コールドブリューコーヒーの作り方
専門店でしか味わえないと思われがちなコールドブリューコーヒーですが、実は自宅でも簡単に作ることができます。市販されている家庭用の抽出器具には、大きく分けて2種類あります。一つはコーヒー粉を水に浸して抽出する「浸漬タイプ」、もう一つは水を少しずつ点滴させて抽出する「滴下タイプ」です。今回は初心者にも使いやすい「浸漬タイプ」のポットを使用して説明します。
コールドブリューボトル(初心者向き)
- ポットにコーヒー豆を入れる まずポットのストレーナーにアイスコーヒー用に挽いた豆を入れます。
- 水を加える その後、ゆっくりと水を注ぎます。コーヒー粉60gに対して水1000mlが目安です。
- 抽出を待つ 水を入れたらフタをして準備完了。あとはゆっくりとコーヒーのエキスが抽出されるのを待つだけです。一晩置くだけで、翌朝には美味しいコーヒーが楽しめます。
コールドブリューメーカー 全自動式
テレビ番組のヒルナンデスでも紹介された話題のコールドブルーメーカーです。
初心者向きのコールドブリューボトルよりは値段が高いですが、新開発の真空抽出技術によって10分間で水出しコーヒーが飲める機能を備えています。いろんなコーヒーを飲んでみたい方には気になるアイテムだと思います。
【4】アイスコーヒー用の深煎りブレンドやフルーティなシングルオリジンが最適
コールドブリューコーヒーを自宅で作る場合、選ぶべきコーヒー豆とその挽き方にはどのような点を考慮すれば良いのでしょうか。
家庭で楽しむなら、深煎りのアイスコーヒー専用ブレンドか、単一の原産地から来た豆を使用するのがおすすめです。特に、フルーティな風味が魅力のグァテマラ、ブラジル、エチオピアの豆が夏場にはぴったりです。抽出時間によって挽き方を調整し、短時間であれば中細挽き、長時間であれば中粗挽きが適しています。
自分の好みに合わせて様々な豆を試し、自分だけの一杯を見つけるのも一つの楽しみです。
自分の好みのコーヒー豆で作るコールドブリューコーヒーのレシピ
「自分のお気に入りのコーヒー豆を使ってコールドブリューコーヒーを作りたい」と考えている方のために、簡単な作り方をご紹介します。
コーヒー豆を用いたコールドブリューコーヒーのレシピ
- コーヒー豆30gを粉にし、500mlから1000mlの水を加えます。フィルター付きのボトルを使用すると便利です。
- 混合物を冷蔵庫で一晩置いて抽出させます。
水の量により、500mlで濃厚な味、1000mlで軽やかな味が楽しめます。使用する豆によっても最終的な味が異なるので、それに注意が必要です。また、通常のドリップコーヒーとは異なる風味が楽しめる点も魅力的です。
コールドブリューコーヒーに適した豆には、フルーティな香りが特徴のエチオピア産や、滑らかな飲み口のマンデリンがおすすめです。
トアルコ トラジャやトラジャブレンド ノアールも、洗練されたアイスコーヒーに仕上がるので試してみる価値があります。
焙煎度に関しては、深煎りよりも浅煎りから中煎りの方が風味や香りが複雑になり、コールドブリューに向いています。
【5】「ニトロ」はコールドブリューに新しい風味を加える人気メニュー
コールドブリューコーヒーはそのまま冷やしても、氷を加えても美味しいですが、「まずは何も加えずに冷たい状態でそのまま飲んでみてほしい。さらに、コールドブリュー特有のアレンジとして「ニトロコーヒー」があります。このメニューは、コールドブリューコーヒーに窒素ガスを注入し、クリーミーな泡が特徴のドリンクです。見た目は黒ビールのようで、飲むと苦味が際立ち、まるでノンアルコールビールのような味わいです。ニトロコーヒーは、数多くのカフェで提供されていますので、ぜひ試してみる価値があります。
自宅でもナイトロコーヒー(ニトロコーヒー)を作ることができる機材がAmazon などでも販売されていますので、マニアの方は挑戦してみてください^^;
アイスコーヒーとの比較を通じて、コールドブリューの独特な味わいを体験して見るのもいいかもしれませんね。